NEARでエアドロップを配布する方法: 受け取るウォレット、配布するトークン、各ウォレットへの数量を指定するだけ
大量のウォレットに1つのトークンを配りたいなら、NEARでエアドロップを配布する方法を押さえておけば、手作業の送金に費やす何時間もと、他のネットワークにはない手間を一気に解消できます。バッチ送信をうまく使えば、コミュニティへの還元、チームへの支払い、コレクションのホルダーへの報酬を数分、しかも支払い1回で完結できます。
このガイドでは、NEARでのairdropに追加ステップが必要な理由、SmithiiのMultisenderを使った実行方法、そしてリストのサイズに応じたコストを解説します。それでは始めましょう。
NEARのairdropに必要な追加ステップ
EVMチェーンでは、ウォレットがそのトークンを一度も保有したことがなくても送付できます。ところがNEARは違います。NEP-141トークンはそのトークンに登録されたアカウントしか残高を保持できない仕様で、この登録には残高用のストレージ領域を確保するための少額のデポジットが必要です。これはネットワークのストレージ管理標準に沿った仕組みです。
未登録のアカウントに手動で送付しようとすると、トランザクションは失敗します。そのためNEARのairdropには受取人ごとに2つの操作、つまり登録と転送が発生し、何百ものアカウントに対して手作業で行うのは現実的ではありません。multisenderは、どのアカウントが既に登録済みかを読み取り、必要なアカウントだけに約0.002 NEARのデポジットを追加します。
トークンを受け取れるアカウントの種類
NEARには2種類のアカウントがあり、このツールはどちらにも対応しています。名前付きアカウント(alice.nearやbob.tgなど)は、ネットワーク上にすでに存在している必要があります。multisenderは存在しないアカウントをマークするので、空のアドレスへトークンを送ってしまう心配はありません。Implicitアカウント(64文字の16進数)は、公開鍵から直接導出されるため、一度も使われていなくても有効です。
NEARでairdropを行う手順
NEAR向けSmithiiのMultisenderは、どのNEP-141トークンでも最大1,000アカウントにバッチで送付できるツールです。コードを書く必要はなく、アカウント登録も自動で処理されます。リストを貼り付けたり、ファイルをアップロードしたり、他のトークンやコレクションのholderを取り込んだりできます。インターフェースに入ると、次のような画面が表示されます。

ウォレットにトークンがすでにあり、手数料と登録に十分なNEARを持っているなら、次の手順に進みましょう。
- NEARウォレットを接続する: 配布するトークンを保有しているウォレットを選びます。
- トークンを選択する: ウォレットから選ぶか、コントラクトアカウントを貼り付けます。
- 数量を決める: すべてのウォレットに同じ数量(Same)、または行ごとに別の数量(Different)を指定します。
- アカウントを読み込む: 貼り付ける、CSVやTXTをアップロードする、あるいはトークンやコレクションのholderから取り込みます。
- Sendを押して支払いを承認する: 送信が始まる前に、手数料がSmithiiに支払われます。
各バッチは単一のコントラクトに送られるため、完全に届くか、まったく届かないかのどちらかです。失敗したバッチがあっても支払いは保持され、Resumeボタンで未送信のバッチを再度の支払いなしに送れます。これだけシンプルで、リストに存在しないアカウントがあれば、支払う前にインターフェースが知らせてくれます。
ウォレットリストを読み込む3つの方法
もっとも直接的な方法はアカウントを貼り付けるか、CSVまたはTXTをアップロードするやり方です。全員に同じ数量を送るなら1行に1アカウントで十分です。異なる数量を送る場合は、各行にアカウントと数量をカンマ区切りで記載します(例: alice.near,12)。ツール自体がサンプルファイルをダウンロードできるように用意しています。
残りの2つは、リストを自動で読み込む方法です。NFT HoldersはコレクションのNFTを1つ以上保有しているアカウントを取得し、Token Holdersはトークンの残高を持っているアカウントを取得します。どちらも11.55 NEARです。リストをエクスポートしたり整えたりする必要がないので、holder向けairdropの定番です。
送信前にリストを確認したい場合は、NEARでholderのsnapshotを行い、CSVでダウンロードする方法を解説しています。
Smithiiを使ったNEAR airdropのコスト
手数料は10ウォレット単位のブロックで計算されます。開始したブロックごとに0.68 NEAR、つまりアカウントあたり0.068 NEARです。最初のバッチが送信される前に、Smithiiへの単一のトランザクションで支払います。
| リスト内のウォレット数 | 10単位のブロック数 | Smithii手数料 |
|---|---|---|
| 10 | 1 | 0.68 NEAR |
| 45 | 5 | 3.40 NEAR |
| 100 | 10 | 6.80 NEAR |
| 500 | 50 | 34 NEAR |
| 1.000 | 100 | 68 NEAR |
この手数料に加えて、ネットワーク費用がウォレットから発生します。トークンに未登録のアカウントごとに約0.002 NEARの登録デポジットと、各バッチにわずかなgasがかかります。配布先が自分のトークンのholderであれば、ほとんどがすでに登録済みなので、このコストは大きく下がります。
配布前にウォレットリストを準備する方法
ツールは各アカウントを検証しますが、誰にトークンを配布すべきかまでは判断してくれません。その部分は目的次第なので、アップロード前に決めておきましょう。
- コントラクトアカウントを除外する:snapshotを起点にしている場合、v2.ref-finance.near のようなアカウントが混ざります。これはRheaのコントラクトです。送っても誰の報酬にもなりません。プールであって人ではないからです。
- 重複を削除する:複数のリストを統合すると、同じアカウントが2回出てきて二重に受け取ることになります。
- 最低保有量を設定する:holder向けのairdropなら、最低残高を決めることでプロジェクトに関わっていないダストアカウントを除外できます。
- 小規模なテストを実施する:自分のアカウント2〜3件に先に送っておけば、本番前にフォーマットと結果を確認できます。
配布先がチームや初期投資家なら、リストより1件あたりの数量のほうが重要です。スプレッドシートで2列のCSVを準備し、合計が配布したい量と一致するか確認してから、そのままアップロードします。
NEARでトークンを配布する際によくあるミス
airdropのトラブルはほぼすべて、ボタンを押す前にリストと残高を見直せば防げます。特に起こりやすいミスは次のとおりです。
- ネームドアカウントのスペルミス:1文字違うだけで、存在しないアカウントになります。ツールが検出してくれますが、元リストで直しておくほうが確実です。
- NEARの残高不足:手数料に加えて、登録デポジットと各バッチのgasもカバーする必要があります。ウォレットに余裕を持たせておきましょう。
- 単位の取り違え:ウォレットごとの数量はトークン単位で記入します。NEAR単位ではありません。送信前にサマリーの合計を必ず確認してください。
- 1,000件を超えるリスト:複数の配布に分けましょう。それぞれ別で支払いと追跡が必要です。
まだトークンを持っていない場合は、まずNEARで署名1回だけでトークンを作成し、同じウォレットから配布するのが流れです。
配布を実行する前に、目的も考えておきましょう。設計の良いairdropは残り続けるholderを呼び込みますが、設計の悪いairdropはトークンが届いた瞬間に売られて終わります。トークンのairdropを行う理由に関するガイドで判断基準を整理しています。
FAQ
NEARのairdropには何件のウォレットを含められますか?
1回の配布で最大1,000アカウントまでです。ツールは50件ずつのバッチにまとめ、どのトランザクションもネットワーク上限を超えないようにします。それより長いリストは、複数回に分けて送ってください。
なぜデポジットが必要なアカウントがあるのですか?
NEP-141トークンは、そのトークンに登録済みのアカウントの残高しか保持できず、登録にはネットワーク上で残高が占めるスペース分の支払いが必要だからです。multisenderが各アカウントを確認し、必要なアカウントにだけ約0.002 NEARのデポジットを追加します。
バッチが失敗したらどうなりますか?
各バッチは単一のコントラクトに届くため、全部届くか、まったく届かないかのどちらかです。失敗したバッチはトークンを一切送信しません。支払いはそのまま残り、Resumeボタンを押せば、追加課金なしで未処理のバッチを再送できます。
ウォレットごとに異なる数量を送れますか?
はい。Differentを選び、各アカウントの隣に数量をカンマで区切って入力するか、アカウント列と数量列の2列構成のCSVをアップロードします。
NEARのNFTコレクションのholderに自分のトークンを配布できますか?
はい。読み込み方法でNFT HoldersまたはToken Holdersを選ぶと、11.55 NEARでsnapshotが実行され、そのリストがそのままmultisenderに反映されます。ダウンロードやコピーの手間はありません。
まとめ
NEARでairdropを実行する方法を押さえておけば、アカウント登録を気にせず、数百のアカウントへトークンを配布できるようになります。NEARでの手動送信を面倒にしているのは、まさにこの登録まわりです。このツールはアカウントを確認し、不足しているデポジットを追加して、二重課金なしでバッチを再開します。
リストを見直し、登録用のNEARに余裕を持たせ、送信先をしっかり選びましょう。そこさえ押さえれば、配布は支払い1回と数回の署名で完了します。





